生き残れるのはパラノイアだけ

こんにちは。
株式会社三協の山田です。
本日はとても気持ちの良い天気でしたので、ふと思い立って桜を見に出かけてきました。
川沿いに咲き誇る桜を眺めながら、「この国に生まれて良かったな」と、しみじみと感じるひととき。途中でサンドイッチとコーヒーを買って、ベンチに座ってのんびりと花を眺める。そんな贅沢な昼下がりを楽しめました。
土曜日・日曜日・祝日なども配送可能な物流センターにはまだ空きがございます。土日祝日の出荷で悩んでいるお客様はお気軽にご相談ください。

さて、私が日々自分自身に言い聞かせている言葉で、 「生き残れるのはパラノイアだけ」という言葉があります。
これは、パソコンのCPUを作っている「インテル」という企業を世界的な企業に育て上げたアンドリュー・グローブ氏の言葉です。
パラノイアとは「病的なまでの心配性」という言葉です。
端的に言うと、圧倒的な危機感を持ち続けることで企業は成長し続けるというお話です。
これはもちろん物流管理にも当てはまる金言です。

今日のメルマガは、 「生き残れるのはパラノイアだけ」についてです。

たった10年で絶対王者から凋落したインテル

「インテル入ってる」というCMを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

あのCMは、インテル自体の広告というより、「このパソコンには高性能なインテル製CPUが搭載されていますよ」という“信頼の証”として広く使われていたものでした。
実際に2010年ごろまでのインテルは、まさにCPU市場の王者でした。
ゲーム、動画編集、開発、サーバーなど、あらゆる分野でインテルが選ばれ、 その競合であったAMDどは、性能面で大きく引き離されていました。
当時はその処理スピードに3〜5割以上の差があることも珍しくなく、 市場においては「インテル一択」という空気すらあったほどです。
しかし、そんな絶対王者も、たった10年ほどで大きく変わりました。
インテルは今や「一人負け」とまで言われる状況にあり、 2023年度には一時、営業損失が1兆円規模にまで膨らみました。
なぜ、これほどの地位から転落したのでしょうか。
主な要因としては、以下が挙げられます。

(1) PC市場での成功に安住し、モバイルの波に乗り遅れた

スマートフォンが急速に普及する中、インテルは依然としてPC市場での優位性に安住し、本格的なモバイル市場への対応を後回しにしてしまいました。

その結果、性能や消費電力の両面でARM系チップに後れを取り、モバイル分野では競争力を発揮できず、最終的には撤退を余儀なくされます。一方で、AppleやQualcommなどはARMアーキテクチャを活用し、モバイル時代の主役として大きく飛躍しました。

(2) 自社製造に固執し、柔軟な戦略転換ができなかった

インテルは「設計も製造も自前で行う」IDMモデルを長年貫いてきましたが、 逆に足かせとなり、TSMCのような外部製造専門ファウンドリに対して、スピードでもコストでも後れを取りました。

特に10nmプロセスの開発遅延は深刻で、AMDがTSMCの7nmプロセスを採用して急成長する中、インテルは性能・電力効率の両面で苦戦を強いられることになりました。
すなわち、インテルが苦境に立たされるようになった背景には、 「危機感の欠如」と「自前主義への過度なこだわり」が大きかったとされています。
結果論と言われるかもしれませんが、 インテルの現在の姿は、
「病的なまでの危機感を持ち、変化に対応し続ける者だけが生き残れる」
という、かつてのトップの言葉を忘れてしまった代償
ではないでしょうか。

お読みいただいている皆さまの中には、素晴らしい技術や魅力的な製品・サービスをお持ちの企業様が数多くいらっしゃると思います。

ただ、たとえ今は売上が順調であっても、 「このやり方で問題ない」と安心しきっているうちに、 市場や顧客ニーズ、競争環境が大きく変わってしまうことは珍しくありません。
そして、変化に気づいたときにはすでに対応が後手に回ってしまっていた。
そんな事態は、どの企業にも起こり得る現実です。
また、あらゆることを社内で完結させようとするあまり、 気づけばスピードや柔軟性を失ってしまう…というケースも少なくありません。

まして今は、少子高齢化や国際情勢の変化(たとえばトランプ政権による追加関税など)によって、市場環境がめまぐるしく変わる時代です。
過去の成功モデルが通用しにくくなっている今、 求められるのは製品の開発や改善にとどまらず、 生産・仕入・販売といった経営戦略全体に連動した物流体制を、 スピード感を持ってアップデートし続ける視点ではないでしょうか。

私たちは、物流という立場から、皆様の変化に柔軟に対応できる体制を整えております。
「基幹システムの変更・改修」
「機動的なセール対応」
「ECモールの追加出店」
「海外発送対応」など、
お客様の“次の一手”に合わせて、柔軟なオペレーションをご提案いたします。
もちろん 楽天最強配送に対応した土日祝の出荷体制などもご相談可能です。

物流は専門性が高く、日々のオペレーションに追われやすい領域でもあります。だからこそ分業し、本業に集中できる環境を整えることが、競争力を維持するカギだと考えています。
物流に関するご相談がございましたら、ぜひ一度ご連絡ください。

また、当社では月1回の倉庫見学会を開催しております。実際の物流現場をご覧いただくことで、多くの参考になる情報を得られるはずです。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

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記事の作成者

代表取締役

山田

現場一筋40年。従来の物流倉庫のスタイルを一掃し、社内にシステム開発室、デザイン室を開設。総合物流の効率化を図ると共に、ネットショップ物流に特化したSANKYO-ECを立ち上げる。 近年では自社倉庫だけで無く、倉庫をお持ちの企業様の物流改善まで手がけ、数ある物流倉庫の「誤出荷ゼロ」「在庫差異ゼロ」「入出庫遅延ゼロ」を実現。 著書に「誤出荷ゼロ!自社倉庫管理術」「EC物流改善メソッド」(幻冬舎)がある。