P・ドラッカーの生産性を高める6つのステップに学ぶ
こんにちは。
株式会社三協の生駒です。
今回は、 人の思いに着目した生産性についてのお話です。
生産性を高める6つのステップ
どの企業においても生産性を上げる事は、避けては通れない至上の命題であります。
然るに 生産性の向上というと、現代ではとかく数字偏重に陥りがちで日々の進捗に始まり、定めた期間毎の目標の達成率を指標にして、従業員に 数字の達成を強く求めます。
確かに 目標を定めてゴールを目指すのは、大変大切な事では
ありますが、ついそれが行き過ぎて数字を追いかけるあまり、
肝心の従業員にプレッシャーをかけ過ぎる事で却って
モチベーションの低下を招いているケースも多々あるのでは
ないでしょうか。
残念な事に欧米の後追いで近年日本の大企業では、成果主義が
どんどん採用され従来の終身雇用に代表される日本式経営では
世界の時流に乗り遅れるといった風潮に支配され、 改革という
美名のもとに旧来の習慣を否定しがちなのは とても残念な事です。
何事も効率で価値判断をするのではなく、そこに従事している
「人の思い」を尊重し如何にすれば、彼、彼女らが気分よく働ける
環境を整えていけるかはとても大切な事だと思います。
現代経営学の父と称えられる P・ドラッカーが、1950年代に
著書の中で今日の時代を予見したかの様にこう述べています。
「従業員はコストではなく、資本である」
そのドラッカーが 生産性を高める為には、従事する従業員の立場を
尊重し如何にすれば彼、彼女らが能力を存分に発揮出来る職場環境を
整えられるかについて提言しています。
その為に踏まねばならない6つのステップが以下の内容となります。
【STEP 1:必要のない仕事を辞める】
・ある大手保険会社では保険請求処理の生産性を効率化出来る様
取り組んだ。
(結果)
・平均15分から3分に短縮出来た。
(理由)
・チェック項目を30項目から5項目に減らしたから。
【STEP 2:仕事を絞って集中する】
・仕事が多い(メールの返信、スタッフとのコミュニケーション、
接客等様々)ので、ついマルチタスクになり本来の仕事が
終わらない。
・ある病院では看護師を院内の雑務(患者への外部からの電話応対、
お見舞いの扱い例えば花を活ける等)から解放した。
(結果)
・すると看護師が本来の業務に専念する事でレベルが上がり員数を
25~30%削減出来て1人当たりの給与を引き上げる事が可能に
なった。
【STEP 3:生産性を3つの観点で捉える】
1,仕事の質
・政策、戦略、診断、デザイン、編集等々その仕事によって
生み出される価値。
2,仕事の量
・生産性を上げるには仕事の仕方ではなく仕事の定義の仕方、
いわば仕事の質に基準を設け仕事のプロセスに組み込んでおく。
3,仕事の質と量の両方
【STEP4 :労働者をマネジメントパートナーとする】
・現場の従事者は自分達の仕事内容、その理論、リズム、質、
道具ついて通常は非常に精通している。
・「生産性と仕事の質を改善する」には現場を熟知している彼らに
聞くのが一番であり、彼、彼女らとのパートナーシップこそ
生産性を上げる為の唯一の方法といえる。
【STEP5 :継続して学習する】
・訓練の最大の成果は新しい事を学ぶのではなく、既にうまく
いっている事を更にうまく行うべく自ら継続して学習する事で
もたらされる。
【STEP6 :他人に教える】
・人に教える事で自らを振り返る事が出来、その気付きから更に
学ぶ事が出来る。
この6つのステップに共通しているのは、主体は「数字」では
なくあくまで仕事に携わる「人」こそが大切で、その「人」が
モチベーションを高めて取り組める環境を如何に生み出せるかに
注力している点が素晴らしいのだと思います。
わたくし共、三協が物流の現場で常に心掛けている事は、 決して
システムに人を合わせるのではなく、システムを人が使い易い
様に構築して少しでも現場がストレスを感じる事のない様にする
事で「誤出荷」や「在庫差異」をゼロにするべく日々努力を
積み重ねております。