【誤出荷ゼロへの取り組み】CSV加工ツールを自社開発しご提供しました!
誤出荷を起こさないために
弊社の出荷作業は、全てお客様からの出荷指示に基づいて行います。誤出荷を起こさず、正確に出荷を行うためにも、この出荷指示が大きな要となります。弊社では、必要な情報を漏れなく含んだ『データ』で出荷指示をいただくよう、お客様にお願いしています。
出荷指示は、CSVファイルやExcelファイルなどの様々な形態に対応しています。お客様には最初に、どのような形の出荷指示をご用意できるのかをお伺いし、データの形式や情報の不足が無いかを入念に確認します。そして、お客様との擦り合わせの末に出荷指示の形を決定し、弊社のWMSで取り込めるようにカスタマイズを行います。
誤出荷の原因を見極める
当然ですが、お客様が使用されているアプリケーションから出力されるデータをそのまま出荷指示としていただくのが最も望ましいです。手入力で作成したり、アプリケーションから出力されたデータを編集する場合、どれほどチェックを講じていてもヒューマンエラーは発生します。いくら弊社が誤出荷ゼロの体制で構えていても、出荷指示が間違っていてはどうしようもありません。
しかし、お客様の様々なご都合により、人の手を介して出荷指示を作成しなければならない場合は発生します。そういった場合でも、間違いを防ぐにはどうすれば良いのかをお客様と一緒に考え、最善策を講じていきます。
CSVとは
アプリケーションから出力されるデータは、CSVファイルであることが大半です。CSVとは、「Comma Separated Value(=カンマ(,)で区切った値)」が入力されたテキストファイルを指します。ファイルのデータ容量が軽く、メモ帳やExcelなど様々なアプリケーションで閲覧・編集ができることが特徴です。
WindowsパソコンでCSVファイルを開くと、特別な設定を行っていない限りはExcelが起ち上がります。一見すると、問題なくCSVファイルを開くことができるように思えますが、実は注意が必要です。
【CSVの問題点】「0」が無い?日付に変わっている?
CSVファイルをExcelで開くと、思わぬデータの変換が行われてしまう場合があります。
「0」落ち
CSVファイルで「0」から始まる数字列が入力されていた場合、Excelで開いてみると、先頭の「0」は消えてしまいます。数字列はExcelでは「数値」と判断され、「001」という数字列は「1」に変換されてしまうのです。例えば、商品コードや商品バーコードに「0」から始まる数字が使われていて、先頭の「0」が消えてしまうケースがよく見られます。
日付変換
住所の番地などのハイフン「-」繋ぎの数列は、自動的に日付と判別される場合があります。例えば、「1-18」は「1月18日」に、「21-2-9」は「2021/2/9」に変換されてしまいます。出荷指示において、送付先の住所の番地は必須事項です。このように誤った変換がされたデータでは、正しい住所に出荷することができません。
列がずれている??
CSVファイルをExcelで開く際のもうひとつの注意点は、「改行」です。1つの項目内に改行を含む場合、Excelで開くと、その項目内の改行の位置で行が分かれてしまいます。これにより、改行以降は2行目のデータとして扱われてしまうので、1行目は情報の不足、2行目は列の不整合・情報の不足が発生します。例えば、ネットショップを運営されているお客様で、注文時の備考欄に購入者が改行入りのコメントを記入される、というようなケースが考えられます。
対処法は何?
では、間違いを防ぎつつCSVファイルを編集するにはどうすれば良いでしょうか。
まず簡単に導入できるのは、Excelの「データの取り込み」機能を使う、という方法です。実際にやってみると、確かに「0」落ちや日付への誤変換は防ぐことができます。しかし、項目内の改行については、実はこの方法では解決できません。
次に、CSV専用のエディタを用いる、という方法が挙げられます。CSVを編集するためのアプリケーションですから、当然先述の問題は全てクリアできます。しかし、残念ながらCSVエディタが持つ機能はExcelには遠く及びません。普段Excelに慣れ親しんでいる方や、ついでにファイルを用いて管理を行いたいというお客様にとっては、ご満足いただけないかもしれません。
独自の編集ツールを開発
実際に、S社様に無料のCSVエディタをご案内し、「フィルタ機能が無いから困る」というお答えをいただいたことがありました。当時、S社様は受注管理システムの機能が不十分なため、どうしても出荷指示のCSVファイルでデータの管理を行いたいというご要望でした。そこで、Excel上でデータの破損なくCSVファイルを取り込めるツールを弊社で開発し、S社様にご提供しました。ボタン1つでCSVファイルをExcelに取り込め、もちろんExcelの機能を使って編集が可能です。
S社様との事前のテストで出荷指示をいただいた際は、データの誤りが多く見られ、何度もメールでのやり取りが必要でした。しかし、ツールのご提供後は、データの誤りも無くなり、S社様内での管理も容易になったとのお声をいただきました。
最後に
その後S社様では、オンラインショップと併せて受注管理システムを一新され、今はダウンロードしたCSVファイルをそのまま出荷指示として使用しています。ご提供したツールはお役御免となりましたが、誤出荷を防ぐためにも、編集ツールが不必要であるに越したことはありません。