アパレルEC販売のネックとなる物流とシステムの不安を払拭。
成功の鍵は担当SE在籍の心強さ。

Gorilla Wear Japan様は2021年の2月から「Gorilla Wear」と言う北米のフィットネスウェアブランドの日本唯一公式代理店としてEC販売の新事業を立ち上げることになりました。以前までは上質な空間の24時間ジムとして事業展開していた同社ですが、「最高のフィットネスライフ」をお客様へ提供するべく、質の高いフィットネスアパレルウェアの販売事業を新事業として展開することになりました。

今回はGorilla Wear Japan代表の
坪谷　勇太朗　様にお話をお伺いいたしました。

「Gorilla Wear」どのようなブランドですか？

Gorilla Wearは、 1982年にアメリカ合衆国で設立され、現在は北米、南米、ヨーロッパエリアを中心とし、世界中の13ヶ国に渡ってアスリートから愛されるフィットネスアパレルブランドです。

そんなに歴史の長いブランドだったのですね。どういったご縁で日本総代理店になられたのでしょうか。

そうですね。元々の計画では我々は自社のブランドでフィットネスウェアに進出したいと考えていました。そのタイミングで偶然にもGorilla Wearの本社からオファーをいただきました。北米と南米、そしてヨーロッパでは既に数多くファンを持たれている人気ブランドです。日本での知名度は低いですが商品自体はとても良い物のため、「この商品を日本に広めたい」と考え販売代理店となりました。

なるほど、実際に着心地が良く、非常に高品質なアイテムですし、You tubeやInstagramで「サラリーマッチョ ニッシー」さんや「まいティ」さん、「レモンジム」の皆さまが着用してトレーニングしている姿なども頻繁に目にしますね。

SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングも強く意識していますが、実は積極的なアプローチはしておりません。インフルエンサーの皆様がイベントにお越しいただいたり、一度着用していただいたりしてからファンになって、宣伝に協力してくださっている場合も多いです。

素晴らしい商品との出会いもあり、足元での販売も堅調に推移していますが、EC販売を開始するにあたって色んな苦労話があったと伺っています。

本当に大変でした。これまではリアルビジネスでサービスを提供する業態でしたから、「商品を仕入れてECサイトで販売する」という物販の流れすべてが未知の状態でした。アパレル販売に携わっている友人にリアルの情報を聞いたり、専門書籍を読み漁ったり、ネットでひたすら検索したり、販売に向けて必死に勉強しましたね。その中で販売開始に向けて、最後まで残った課題が「物流」と「システム」でした。

物流やシステムは業務全体で複雑に絡み合っているうえに、理論と実務のギャップも大きいですからね。ちなみにどういった部分が難しく感じましたか。

社内で本プロジェクトの担当は自分だけ(物流の専門家はおらず、知識も皆無)で「物流アウトソーシングって倉庫を借りるだけなのか、倉庫で検品や発送作業までやってくれるのか」「品番とSKUの違いって何だろう」「EANコードって何？」など、専門用語が全くわかりませんでした。また、「私たちが扱う物量でアウトソーシングしてもらえるのか」「物流コスト(検品・出荷)の相場っていくらなんだろう」等々、販売開始までのシステム構築に掛かる時間や費用も含めて未知の領域でとても不安でした。

初めてお会いした時には、全然そういう雰囲気は感じなかったですけどね。

当時、6社～7社ほどに問合せをしていましたが、分からない雰囲気を出すとコスト面で足元を見られることが嫌だったので、前述のとおり事前に専門用語などを勉強して臨みました。しかし、結局は付け焼き刃なので、実際に商談した物流業者には見透かされていたような気もします。

問い合わせされた６～７社のうち三協は2番目の商談相手であり、そのまま弊社をパートナーとして選んでいただいたとお伺いしました。あと5社ほど残っていたにも関わらず、弊社を選んでくださった理由は何だったのでしょうか。

三協さんとの商談で感じたのは「私たちの悩みと現状の課題を正確に把握している」ということでした。私たちは物流に困っていましたが、厳密には新規事業を立ち上げるための手段として「物流にも」困っていました。三協さんは問合せの時から他社とは異なり、初心者にも分かりやすい言葉で「物流だけでなく、仕入や販売など業務全体の中での最適な物流をどうやって構築するか」を具体的に説明してくれました。
また、物流の構築だけでなく、オリジナルデザインの梱包資材を提案してくれるなど、ブランディングも含めて全体的な課題を物流面からサポートしてくれる印象を受けました。

また、商談したその日に見積りを提示いただいた熱意や、販売開始に向けて1日で多くて10回以上のメールのやり取りが発生する時も迅速に返信をいただいた事など、「一緒に成長していきましょう」という気持ちが感じられました。

そういって頂けると本当に光栄です。ただ、実際にECサイトのオープンまでにはそこから始まる、乗り越えなければならない課題も多かったですね。

三協さんとの契約が決まる直前に”shopify”でショップを運営する方向性を決めていました。”BASE”や”STORES”より、アプリを活用しての柔軟性が高いのが決め手でした。一方で「Shopifyにプラグインするべき最適なアプリ」「商品マスタの登録や設定作業」ではトラブルがとても多かったです。たとえば、Shopifyで標準として実装されている機能では運送会社の送り状番号を取り込むことができないため、アプリを導入する必要がありました。
しかしながら、私たちではどのアプリを入れたら問題なく配送できるかわからなかっため、複数のアプリから三協さんに検討していただいたうえで導入しました。

また、ShopifyとWMSのシステム連携や事前設定を含めたテスト運用も三協のSEさんが丁寧に対応してくださいました。CSVファイルの形式やデータの掃き出し方法など、Shopifyと日本の仕様やルールが異なっていることから、設定段階で複数のエラーが発生していると聞いていましたが、三協のSEさんに英語の文献やShopifyの仕様書と奮闘頂いたことで、目標としていたスケジュール通りに販売を開始することができました。また、Gorilla Wear本社から提供された商品マスタに誤りがあったり、バーコードの重複や文字化けがあったりしましたが、そのようなイレギュラー対応も全て三協のＳＥさんにお手伝いいただけたため、販売開始後に大きなトラブルも発生しませんでした。三協さんは物流専門のシステムエンジニアさんが担当でついてくれる上、直接お話ができるため伝言ゲームとならず、非常に助かっています。今後も仮に基幹システムの変更など経営戦略に伴うシステムの変更があった際も、柔軟かつスピーディに対応いただけると期待しています。

実は商品が入荷してからも本当に大変でした。初回発注分の商品が届いた際、梱包の段ボールが破けて商品の袋にシワができていたり、違う商品のタグが付けられたり、中でもグローブの商品を検品した際に「右手のみ2つ入っていた」のは今でも鮮明に覚えています。三協さんの方で袋の入れ替えを提案いただいたり、たたみ直しなどのリバイバルに対応してくれるので、お客様には綺麗な状態で商品を提供出来ています。三協さんから上記不具合の程度や商品数の記録を細かく報告いただくことにより、Gorilla Wear本社にも都度改善依頼をしております。当初は袋の汚れ、破損、タグの付け間違いが5％程度発生していましたが、少しずつ下がっており、今では3％程度まで改善しています。

度々の高評価をありがとうございます！Gorilla Wear Japanのオープンから1年が経過し、運用に関しても軌道に乗ったと思います。今後のフェーズで三協に依頼したい事、若しくは期待する事はありますでしょうか。

物流を委託してから1年以上が経過しましたが、本当にただの1件も誤出荷・在庫差異・未出荷がないのは驚きです。この1年間は、様々な事を試すトライアンドエラーの時期だったと思います。最初は予測値で戦略を立てて、その戦略に沿って色々なマーケティング政策を展開してきました。やっとそのデータが蓄積され、どのようなターゲット層に、どのような商材が売れ、どういう風にアプローチするのが効果的か見えてきました。これからはもっと多くの方々にGorillaWearを届けていきたいと思いますので、変わらぬクオリティーで物流場面のサポートを引き続きよろしくお願いいたします。