店振り作業は大変だ!
今回はピッキング方式の一つである種まき方式、つまり、一つの商品をまとめて集めて、出荷先毎(店舗毎)に振り分けする作業についてです。
ピッキングする商品群が多く、かつ多くの出荷先がある場合、有効なピッキング方式です。オーダーピッキングに比べ、同じロケーションに数回行く必要がなく、一度に多くの数量をまとめて取ることが出来ます。
ただ、人海戦術では振り分けの時に他の出荷先へ入れてしまったり、商品の数や商品そのものを間違えて入れてしまうミスも発生するため、デジタルピッキングを導入されているところも多いと思われます。
当社ではデジタルな大それたものはないので、人海戦術で何か間違えずにできる方法はないかと考えてみました。
以前の作業方法を紹介します。
リストで指示する指揮官と作業をしていただく作業者の方々で行います。まずは
(1)各出荷先の箱を組み立てて、店舗ラベルを貼って作業台と並行に並べます。
(2)振り分けする商品番号を指揮官が読み上げて、値札付け済みの商品群から、作業者が商品を取り出します。
(3)リストを元に振り分けすべき商品番号と数量を読み上げて、作業者がその通りに1品づつ作業台の上で分けていきます。
(4)1アイテムが並び終えたら、数えます。
(5) 合っていたら、指揮官が商品を入れる店舗名を読み上げて、作業者が入れます。
(6) 最後に全て入れ終ったら、各店舗毎に全数数え、梱包した後、PDラベル等を貼って出荷します。
まぁ、デジタル機器を使わなければ一般的な処理方法ですね。ここで、着目した点は、
・ 読み合わせによる作業指示は言い間違い、聞き間違いがあること
・ 商品を箱に入れる際、振り返る動作があるため、入れ間違いが発生しやすいこと
・ 最後に全ての数を再度、数えるのは重複動作であること
・ 詰める箱の位置が作業台から2~3mほど離れていたこと
理想を言えば、上記の逆で何も指揮官がリストを読み上げなくても、作業者だけで自然に処理ができるようにし、且つ入れ間違いも少なくなればいい。まして、最後の(6)の点検数は全作業の約半分の時間を要していることを考えると、これも無いほうがいいに決まっているのであります。
基本は店振りリストそのものを現場でスコアボードのように再現して、「 見える化 」にしてみよう!です。
どのようにしようかと考えていたところ、思いつきました!
車の「 駐車場 」です。
どこぞの駐車場も必ず、車を止めるスペースには線引きがされています。
振り分けリストの枠を駐車場のラインに見立て、出荷する店舗毎のケースの幅に合わせて、作業台の上にテープを引きます。また、現場で各スペースには番号を表示しています。
当初は出荷ケースをその枠内で作業台の下に入れてしまう作戦でしたが、今回はケースの高さが高く、下に入らないので、箱は作業台のラインに合わせて並行に置きます。
通路は移動する歩幅を無くし、腰の回転だけで入れる幅に設定します。
そうすると必然的に商品と出荷ケースが1対1になります。